月曜の朝は、私にとって、とてもうれしい時間
月曜の朝は、私(障害者通所施設支援員)にとって、とてもうれしい時間です。
それは、他のどの曜日よりも利用者たちのあれこれの話が幾重にも飛び込んでくるからです。
ダウン症のTさんは「きのうしんかんせんのったです。とうきょうタワーみました。おおきかったです。」と休みの日の様子を目を輝かせて報告してくれます。ほんとうは地下鉄に乗り、テレビ塔を見てきたのに頑としてゆずらない、その姿勢にほれぼれ。
その隙に「きのうはねー、おしえてあげようか。天ぷらと、うどんと・・」とケアホームでの夕食の献立をとても幸せそうに語ってくれるYさん。その調子にあわせて話を聞いていると・・。
かぶさるようにAさんは「今日は1号車は誰が運転?〇〇さんは今日は休み?・・」とこちらの態勢はおかまいなしに容赦のない質問攻め・・。
現場の支援員にとって、まさに至福の時です。ほんとうに誰にとっても、通ってくる場所・話のできる人・誇りに感じられる仕事などが欠かせないと痛感する時でもあります。
また、あれもこれもやらなければならなくとも、ゆっくり聞いてあげられる心のゆとりをもち続けたいと肝に銘じる時でもあります。
しかし、現実はそんな事ばかりではなく―
ケアホームの利用者からTVの調子が悪いと連絡がはいったかと思えば、お腹が痛いと通院付き添いの要請。はたまた家族の病気では自宅での生活を続けるため、あちこちの事業所にホームヘルパーの要請のための連絡調整、場合によってはショートスティのできる施設を何十件もさがしておくりとどけ・・。制度の活用のために一緒に関係機関に出向き。休日のヘルパーがいないと要請がとどき。あげくに消費者金融とのトラブルの調整も・・。
ひとりひとりのくらしを支えるために、少なくなる一方の職員がへとへとになって対応しているというのが現状です。
「地域であたりまえの生活を」「施設から地域へ」のかけ声のわりに、圧倒的に不足する社会資源。相談・支援体制の未確立。福祉人材の確保問題など待ったなしの状態。ほんとうに深刻です。
早急に人材確保対策を!
5/21参議院本会議で「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律(介護従事者処遇改善法)」が全会一致で可決・成立しました。
深刻な人材不足を解決するためには介護職員の待遇改善が不可欠であると運動をつくってきた私たちの思いが届き全会一致での法律制定となったことは大きな前進です。
しかし、その法律の内容は
第一 検討
政府は、高齢者等が安心して暮らすことのできる社会を実現するために介護従事者等が重要な役割を担っていることにかんがみ、介護を担う優れた人材の確保を図るため、平成二十一年四月一日までに、介護従事者等の賃金水準その他の事情を勘案し、介護従事者等の賃金をはじめとする処遇の改善に資するための施策の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
と一項目だけの、改善策を先送りにした内容となっています。
来年(2009年度)は介護報酬の見直しの時期となっており、審議会での議論も始まっています。これからの運動がますます重要になっています。
介護の現場だけでなく、障害者自立支援法後の障害児・者の現場でも賃金・労働条件の崩壊、人材不足は深刻になっています。「人材確保法」が真に福祉・保育の人材確保につながるように、私たち福祉保育労は引き続き実効性を求める運動をつくっていきます。