社会福祉法人改革
今国会で社会福祉法の改定が提案され「社会福祉法人」の在り方について大きく変えられようとしています。
厚労省「社会福祉法人在り方検討会」の報告書をもとにした法案改定です。
報告書には、第4部「社会福祉法人の今日的役割」の第1に「社会福祉制度のセーフティネットとしての役割」とあります。「セーフティネットとしての社会福祉制度の役割」ではありません。
そして第5部で、「社会福祉法人は、制度や市場原理では満たされないニーズについて率先して対応していく『地域における公益的な活動』が求められている」と導き出し、補助金や税制優遇を受けているのだから還元せよ、と記しています。
「地域公益活動」の例として、就労訓練事業(「最賃」以下でも働かせて良い中間的就労)や刑務所出所者への福祉的支援等々が上げられています。
本来国の責任で行うべき社会福祉を、制度の枠外のまま、低額か無料で社会福祉法人に義務化するのです。
報告書は、社会福祉法人には莫大な「余裕財産(いわゆる内部留保)」があるというバッシングの流布とセットです。
しかし、多くの社会福祉法人は、土地建物分・運転資金などを除けば内部留保などほとんどありません。
「地域公益活動」は、赤字であっても全ての社会福祉法人で義務化されます。
活動は人が行うものですし、初期費用も維持費用もかかります。
結局は本来担っている福祉事業から人もお金も流用する事になり、職員の実質的減少・過重労働につながります。福祉職場の処遇改善に逆行し、支援の質の低下は免れません。
利用者・労働者の人権を低く見積もった「権利としての社会福祉」の否定です。
社会福祉法人だけの問題でなく、この国の社会福祉の在り方、国民一人ひとりの生存権保障の問題です。
学習会へ参加を
私たち福祉保育労をはじめ、経営者・利用者の福祉関係の団体は、この「社会福祉法人」改革には国民の権利を脅かす、そもそもの社会福祉を根底から覆す問題があると捉えています。
その問題を1人でも多くの人に知らせ、不当な改定をさせないために、緊急学習会を開催します。
社会福祉法人にだけかかわる問題ではありません。
是非、誘い合ってご参加下さい。
2015年3月1日(日)13:30~ 中区役所ホールにて 参加費500円