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【10.06.17】福祉保育労働者のつぶやき… レポート5

本当は子どもとゆっくり関わりたい

 
「このクラスの雰囲気が好きで。」「なにげに(そういった保育が)されているのかと思っていたのだけど。ちがったんですね(笑)。私達(看護師)が計画立てて看護するように、この保育も方針を立てての意図されたものだったのですね(笑)。」

先日行われた、クラスの親と職員とで子育てや保育のことを語り合う、クラス懇談会でのことです。
“保育する上で、このクラスで大切にしたいと考えていること”“実際にしてきている保育の内容と子どもの様子”を職員の方から報告し、そして、参加されていたお母さん方からの感想や意見や質問なども出しあい、ざっくばらんに交流しました。
その中での、ひとりのお母さんからの一言が上記のものです。
“そうか。今のこのクラスの子どもの捉え方や対応は保育者の人柄によるもの、と思われていたのか。”と、3人の職員は大笑い。他のお母さん方も大笑い。
いや、そう思われていたとしても、「このクラスの雰囲気が好き」と感じてもらえていること自体が、何よりも嬉しいものです。
後日の各家庭の日誌にも、「自分が子育てする上で大切にしたいと思っていることを、保育する上でも大切にしてもらっていることを感じ嬉しかったです。」「どういう視点で子どもを見てもらえているかがわかり、安心しました。」といった感想が出されていて、それもまた嬉しいものでした。
親との関わりのところでは、悩むこと落ち込むことも多々ありますが。やはり、保育という仕事の上での大きなやりがいともなり力を貰うものでもありますね。

そんな、親・職員どちらにとっても大切にすべきクラス懇談会ですが、この日の参加者はクラスの家庭の半数でした。どの家庭も忙しく、全員揃うことがなかなか難しい状況にあります。
懇談会の参加のことに限らず、日々の中でも“もっとゆったりと子どもと関わりたい。でも仕事は忙しく、毎日、こどもを叱ったり急かしたりしてしまうことの方が多い。”というような、私生活を犠牲にしないと仕事が続けられないことへの悩みや苦しみがつぶやかれています。

自分自身にとってもですが。どんな仕事であっても、ゆとりを持って働き続けられるような社会になることを願わずにはいられません。

労働時間と賃金の関係は?

労働基準法では、原則1日8時間・週40時間を超える労働をさせてはならないと決まっています。これ、本当に守られているでしょうか?実際には残業が大量にあり、中には「サービス残業」として、超過勤務手当(超勤)がもらえない、なんてケースも耳にします。
近頃不況の影響で、「残業が無くなって、生活が厳しい…」なんて話も聞きます。でもちょっと待って、それっておかしくないですか?普通に、法律で決められた時間働いても、生活するために充分必要な賃金が得られないなんて…。
これは、とことん労働者を低いコストでこき使って、企業の利潤を上げるためのやり方です。今の社会の流れは、二人の正規職員を雇うより、一人の正規に超勤をさせ、まだ足りない部分を非正規で補う、というやり方が主流になりつつあります。その方が人件費が安く上がるからです。
必要なのは、正規・非正規という雇用による格差を無くし、共通の労働条件にして、「仕事を分け合う(ワークシェアリング)」ことです。「同一労働・同一賃金」の原則に沿って、「健康で文化的な生活」をするために必要充分な賃金を、定められた時間だけ働いて得る。そんな当たり前のことが実現するだけで、「早く、早く!」と子どもを時間で追い立てるような生活もなくなると思いませんか?

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