総選挙にあたり 消費税と社会保障を考える
高齢化などにより社会保障費の予算は、自然に増えます。この自然増を極力抑えるために「2,200億円削減路線」が、2002年度から始まりました。初年度だけ3,000億円の削減です。削減された予算額は次の年度以降にも引き継がれ、そこから毎年2,200億円削られます。これを2011年度まで続ける!としています。(骨太方針06)その10年間で削減される額は、累計で約13兆円になります。
しかし、消費税は「高齢化社会のため」、「福祉のため」として導入されました(1989年)。つまり、自然増分の財源は確保されているはずなのです。
ちなみに、2007年度だけの消費税収入は、13兆2,000億円です(消費税をなくす全国の会パンフレットより)。これを使うだけでも削減の必要はないと思うのですが・・。それこそ予算を削るためにあれこれの制度を変えなくてもよかったのではないか?
例えば、「障害者自立支援法」による負担増(2006年度)や「後期高齢者医療制度」(2008年度)等を導入しなくてもよかったのではないでしょうか?
消費税の使われ方については、同パンフレットで「結果的に法人税減税の穴埋めに消えた」と指摘されています。ところがマスコミは、この視点で取り上げたことは、ほとんどなかったように思います。又、政界では税率アップの声が大きくなっていますが、今までの消費税の使われ方についてきちんと説明されていないと思います。多くの議員さんが消費税導入に賛成されたのですから、たとえ今どの政党に属していようとこの問題は、本来なら避けて通れないことだと思います。だから、「政権選択」ということばに流されるわけにはいかない!と私は思います。
消費税導入の理由は、言い換えると「今後は一般財源からだけでは増え続ける社会保障費に対応できない」ということです。私は、一般財源がベースにあるということが重要だと思います。「消費税を福祉目的税にする」という話がありますが、消費税だけで社会保障費を賄うということにいつかすりかえられはしまいか?と不安です。日本の消費税は、生活必需品にもかかるだけに、支出のあり方とともに、消費税そのものをどう考えるか?という視点が特に必要だと思います。各党や候補者の方々が、しっかり議論されると良いと思います。私は、これが大切な争点のひとつだと思います。
桝谷 好信(尾張支部)