トピックス−学習会・イベント

【13.05.24】県民集会春の学習交流集会を行いました

5月18日(土)労働会館東館ホールにて「福祉予算削るな!福祉を金儲けにするな!県民集会 春の学習交流集会」が開催されました。
当日は170人近い参加者でホールがいっぱいになりました  

オープニングは心豊かに

恒例となったオープニング企画。
今年もフルートの音色に癒されました。
一青窈(ひととよう)さんの「ハナミズキ」などなじみのある曲や、「リベルタンゴ」などを聴き、厳しい現実を忘れ、心が豊かになる。そんなひと時でした。  

今の「福祉」の実態は…

初めに、主催者を代表して石井一由記実行委員長からのあいさつの後、現場から発言をしてもらいました。
「生活保護の現場」「障がい者の貧困」「子どもの貧困」3つの領域からの実態報告に、参加者は耳を傾けていました。

・生活保護…少ない保護費で生活するために、水光熱費を切り詰め、入浴も週に1回、電気もつけない。医者に行くための交通費も保護費に含まれるので、簡単には行けない。
発言者は「私たち貧困者は早く死んでくださいと言われているのでしょうか」と怒りをにじませました。

・障がい者の貧困…作業所で働く障がいを持った仲間の多くは「労働者」ではなく「失業者」という位置づけで最低賃金は保障されていない。障がい者の99%が年収200万円以下、56%が年収100万円以下の状況で、その上必要な支援を受けるための自己負担を強いられている。
障がい者が余暇を楽しむための外出で、介助者分の交通費などを負担しなくてはいけないので、お金のかかるような取り組みに参加できない現実があります。
また、障がい者本人だけでなく、作業所などで働く者の貧困も報告されました。
「(応益ではなく)権利としての支援の実現に向けた、共同の運動を」と呼びかけました。

・子どもの貧困…通信制・定時制高校の実態として、高校授業料無償化導入後、企業立の高校が増えてきている。知らないところで公費が企業に流れている。その一方で定時制高校に通う子どの家庭の貧困が広がってきている。学校の給食で出たパンを「兄弟に」と持ち帰る。給食だよりの食生活で、夏休みの後げっそりとやせ細る子。収入を得るために自衛隊に入隊を希望するなど「貧困が進むと戦争につながる」。
さらに定時制・通信制高校では教員の非正規化が進み、半数が非正規の講師になっている。  

現実から読み取る福祉の現実

3つの領域からの実態報告を踏まえ、平野方紹(ひらの・まさあき 立教大学コミュニティ福祉学部教授)の講演が始まりました。

今の社会で展望が見えないのは「見えなくさせられている」
人間のエネルギー、元気の源は「明日」と「仲間」
その二つが奪われているのが今の日本の福祉の実態です。
という初めの言葉からすっと耳に入ってくる講演となりました。

・少子化が進んでいるのに、子どもの貧困率は上がってきている矛盾
全体の貧困の伸び率よりも、子どもの貧困の伸び率が高いということは、子ども達に、より弱いところに、問題が集中してきている証拠
・「生活保護は都市部だけの問題」という厚労省の説明のごまかし
・アベノミクスの抱える矛盾
「小さな政府」が行う大規模な財政出動…企業や投資家など、金融市場には大盤振る舞いをし、福祉・生活にかかわる部分は削減していく
・TPPによって保険制度が破壊されていく

などなど今の福祉現場がどういう状況に追い込まれているのかを分かりやすく読み解いてくださいました。  

そして展望を

現実は厳しいですが、まだチャンスはあると平野先生は語ります

与党が国会の2/3を占めていても、年金や生活保護制度を簡単に改悪できない。国民の声はやはり無視できない。
先の与党が自民党から民主党になった際、公約として掲げた「最低保障年金制度」なそ各種の約束は守られなかったが、「障害者自立支援法」は変わった。確かに大きな問題は残ったが、裁判所による「和解」が成立し、総合支援法になった。
これは国民が声を上げ続け、運動を続けた大きな成果だ。

この言葉に勇気と元気をもらいました。

貧困は社会的構造から生み出されるが、それが個人的な問題として登場してしまい、自己責任にされてしまう
本当の意味での平等を考えよう。消費税はすべての人に一律に課税されるから「公平」だという考えは大きな間違い。すべての人が満足できるようにするのが本当の平等でそれを福祉という。今狙われているのは「公平」のすり替えです。
その満足をとらえる、ニードをつかみ取るには専門性が必要になってくる。

と福祉現場で働く私たちの持つ専門性にも踏み込んだお話も聞くことができました。


講演は「橋本大阪市長の慰安婦に関する発言」などいろいろ脱線しながらも、その中でまた「今の現実」を織り交ぜながらの中身となり、1時間半があっという間の、大変中身が濃く、さらに分かりやすいものでした。

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